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シカゴはアメリカでも有数の、音楽を文化の基盤とした街です(他はジャズのニューオリンズ、ブルースのメンフィス、カントリーのナッシュビルくらいか)。ブルースはいまや"Capital of Blues"として世界中のブルースマンの聖地ですし、ジャズはシカゴ派と呼ばれる独自のスタイルでその存在感を示しています。ここでは、極上のジャズとブルースのステージが連夜行われているシカゴならではの楽しみとして、”どうせならどちらも一緒に聴いちゃえ”という観点からエリア別に代表店を選んでみました。どのエリアもジャズとブルースの店が近接しており、ステージのハシゴが簡単に出来る店ばかりです。
なお一般的にファーストステージは20:00-21:00,
セカンドステージは22:00-23:00、サードステージは0:00-1:00
ごろから始まり、遅いステージほど客が増え、盛り上がる傾向にあります(たとえ平日でも、です)。もしお目当てのステージがあるなら、(ハシゴの場合)遅い時間に行かれる方がより楽しいでしょう。
また入場時には21歳以上であることを示すID(パスポートでも可)およびカバー代(多くはクレジットカード払い不可)が必要となりますので、ともにお忘れなく。
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River North/Downtown |
このエリアの代表店は、Jazz Showcase, Blue
Chicago on Clark および Andy's Jazz Club, House of Blues Chicago です。前2者および後2者は互いにすぐ近くにありますし、4店とも歩いて行ける範囲内にあります。
ダウンタウンのほぼ真ん中に位置し、真夜中まで賑わいますので夜の治安もまず問題ないでしょう。 観光客の方もシカゴ在住の方も気軽に足を運びやすいエリアであると思います。
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Jazz Showcase (Metromix) シカゴジャズ界重鎮の
Joe Segal 氏による老舗クラブ。クラブの歴史・演奏アーチストの質の高さなど、シカゴを代表するジャズクラブと云ってよいでしょう。壁面には過去に演奏したジャズ・ジャイアンツ (Charlie Parker, John Coltrane, Miles Davis ..)
の写真・ポスター・サインが所狭しと飾られ、ジャズの歴史を体感することができます。
演奏アーチストは Segal
氏自らのテイストが反映され、基本的にはアコースティック・モダンジャズ(およびビッグバンド・ラテン)のカテゴリーから選ばれます(つまりフュージョン・ニューエイジ・アバンギャルド系統を聴きたい方はヨソへどうぞというわけです)。
さて名声を博している Showcase
ですが、キャパは以外と小さく大物アーチストが来ようモノなら満席になることもしばしばです。そして基本的に席の予約は不可です。こういう時のために
Showcase では系列のイタリアンレストラン Maggiano's
と共に Dinner package を用意しています。$43/人にてディナーおよび
Showcase のカバー代(通常 $20/人)が含まれ、席が確保されるわけです。どうしても席を予約したいという場合はお試し下さい。
ジャズの普及活動にも積極的に取り組んでおり、日曜午後4時からのマチネ・ステージは未成年者(21歳以下、両親の同伴は必要)をターゲットとしたステージとなります。また学生・ミュージシャン・60歳以上または12歳以下は無料となります。
なお周辺には、Chicago Chop House、Lawry's や Carson's (River North) といった有名ステーキレストランが集まっています。
ステーキ&ジャズとアメリカンエンターテイメントの王道を味合うには、ぴったりのスポットです。
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Blue Chicago on Clark (Metromix) 上記
Showcase の Clark Street を挟んで斜め向かいにあり、隣接してブルースグッズを扱う系列店があります。また Clark Street を数ブロック北上したところに本店があり、一度カバーを払えばどちらの店にも出入りできます(ブルースバーのハシゴですね)。
本店に比べ小さいながらも夜が深まるにつれて熱いステージが繰り広げられます。また毎土曜日8-12pm には、こちらも子供たちに向けたプログラム "Down in the Basement" を行っており、12歳以下は無料、そして禁煙・アルコール禁止となります。
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Andy's Jazz Club (Metromix) 昼間
(Jazz at Noon) から本格ジャズを楽しめるクラブ。しかも 2:30pm まではノーカバーです。夜には本格的な料理と共に Chuck Hedges, Art Hoyle, Franz Jackson, Von Freeman らによるシカゴのローカルジャズを聴くことができます。
シカゴ屈指の観光スポット Magnificent Mile の近くだけに観光客の割合が比較的高いかも知れません。なお店名は初代オーナー Andy に因んでいます(現在は別オーナー)。
なお隣はシカゴを代表するシーフードレストラン Shaws Crab House です。
オイスターバーで軽く引っかけ、そのままジャズを楽しむのが、管理人のおすすめコースです。
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House of Blues Chicago
(Metromix) 全米チェーンの HOB
の中でも最大規模となるのが、このシカゴ店です。ブルースのみならずあらゆるジャンルの音楽が連日演奏されています。
また日曜日のゴスペル・ブランチでは、ブランチを食べながらパワー溢れるゴスペルを楽しむことができ、
こちらも大人気です。できるだけ前売りチケットを買っておかれることをおすすめします。
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Loop/Downtown |
このエリアには筆者一押しのブルースバー Legends
とお洒落なライブハウス HotHouse があります。同じブロックにあるので簡単に行き来ができます。
ダウンタウンの南に位置し、夜中はやや怪しい雰囲気となりますので、地理に不案内の方はタクシーを使っていく方がいいでしょう。
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Buddy Guy's Legends (Metromix)
かの Eric Clapton をして最も偉大なブルース・ギターリストと言わしめ、あの Jimmy Hendrix にも多大なる影響をあたえた Buddy Guy 自らが経営するブルースバーです。
広い店内の壁一面には Legends で演奏したアーチスト (Stones の Mick Jagger & Ron Wood もプレイしてます) や親交深いアーチスト (もちろん Clapton も含む)から寄せられたギター・衣装・写真などが飾られ、さながらブルース版ハードロックカフェといった趣です。もちろん Buddy 自身が獲得した4度のグラミー賞トロフィーも入口すぐにディスプレーされています。
さて、行くならやはり Buddy Guy のプレイを聴いてみたいですよね。しかし例年1月 (または Blues Festival の時期) を除き Buddy はツアーに出ており、ほとんど聴くことはできません。そして1月で Buddy が演奏する日のチケットは早々に売り切れます!Ticketmaster か Legends のHPより発売日を確かめ、早めに購入されることをお勧めします。
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本拠地 Legends で演る Buddy はまさに”水を得た魚”。ぎっしりと埋まった広いフロアに何度も降り立ち、時には客をステージに上げて一緒に歌ったり、時にはバーカウンター隅でギターソロを披露したりと、縦横無尽に駆け回ります(店外まで出てしまうことも!)。
このステージを見ずしてシカゴ・ブルースは語れません。筆者一押しのスポットです。
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HotHouse (Metromix) 上記
Legends からは Wabash Ave を北上、 Balbo Dr にて左折すぐの場所にあります。HotHouse は、音楽のみならずダンス・パフォーマンス・写真展・絵画展も行う非営利の総合芸術空間ですが、毎月曜日の野毛洋子バンドを始めとして、シカゴジャズを積極的に紹介していることでも知られています。店内は赤を基調としたスタイリッシュな雰囲気で、お洒落にジャズを楽しむことができます。
店内に Bar はありますが、食べ物の提供は通常ありません。しかし食べ物の持ち込みは可能なので(飲み物は不可)、食事・おつまみの必要な方は買って行かれたらいいでしょう (Wabash Ave にコンビニもあります)。
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Halsted Street/Lincoln Park |
ダウンタウン北側の高級住宅地 Lincoln Park に隣接するこのエリアには2軒の有名ブルースバーを中心としてレストラン・バーが集まり(和食・寿司レストランもあり)、真夜中まで賑わいます。
また歩いていくにはやや距離がありますが、ご紹介するジャズバーはお洒落なシカゴッ子が集まるシカゴ随一のクールなバーです。
ダウンタウンから車で行く場合は、Lake Shore Dr を北上し Fullerton Ave で降りて行く方法が分かりやすいでしょう(Fullerton Ave を Halsted St にて右折すぐ)。治安は比較的良好でしょう。路上駐車スペースは多いですが、いつも埋まっています。
バーの Valet Parking も利用できます。
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Kingston Mines (Metromix)
上記、Legends に並び称される有名ブルースバー。通常、ジャズやブルースはステージの間に1時間程度の空き時間ができるものですが、Kingston Mines には2つのステージ
で2つのバンドが交互に演奏していくので、休むことなくブルースを楽しむことができます。
ちなみに Kingston Mines のホームページ(BGM付き)は店内の雰囲気がよく分かり、非常に秀逸。Check it out!
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B.L.U.E.S.
(Metromix)
Kingston Mines の斜め向かいにあり、まさに「ハシゴ」にうってつけのブルースバー。
さらに日曜日は、どちらか一方のカバー代で両方のバーを楽しむことをできるサービスも行なわれています。もともとのカバー代も比較的安いので、気軽にブルースを楽しむことができます。
店内は狭いゆえ、満席になることもしばしば。が、それだけプレーヤーとの密度の濃いホットな時間を過ごすことができるでしょう。
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Pops for Champagne
(Metromix)
上記2つのバーからは少し距離がありますが、ぜひお奨めしたいジャズバーです。140種類以上ものシャンパン(またはスパークリングワイン)とともに、お洒落にジャズを楽しむことができます。
店内中央のステージを囲むように半円形のバーカウンターがおかれ、バーテンダー越しにプレーヤーを見るという一風変わった造りになっていますが、内装は木目調でまとめられ落ち着いた雰囲気になっています。
カウンターに陣取りリズムに身をゆだねるもよし、テーブル席で会話に興じるもよし、クールにジャズを楽しむのにぴったりのスポットです。
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Othres |
Green Mill
(Metromix)
最後にご紹介するのはシカゴジャズを語る上で外すことのできない Green Mill です。
1907年オープン。チャップリンもたびたび通っていたという、アメリカのジャズクラブ老舗中の老舗。アル・カポネ所有の酒密売店で、ギャング達の隠れ家であったこととしても知られています。
上記3つのバーからは さらに車で15分くらい北にありますが(地図)、ぜひ訪れていただきたいスポットです。
店内内装はまさにアル・カポネ時代そのもの。凝った造りで歴史を感じさせます。連日朝の4時まで演奏が行われ、週末には行列が出来るほど混んでいます。
夜になるとかなり怪しい雰囲気のエリアにありますので、地理に不案内の方は、往復タクシーを使われることをおすすめします。なお路駐スポットも多数あります。
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